桜咲く季節です。
こんにちは。中日新聞豊橋西部専売店 鳥居新聞店です。
昼夜の寒暖差にやや、『春バテ』している方も多いのでは?
最近この『春バテ』よく目にします。春先の寒暖差に体がついていけず、気分が優れなかったり、体調を崩す事を最近ではこう呼ぶそうです。新しい表現ですが、確かにこういった体験は私にもあります。環境の変化も伴う季節ですから、くれぐれも無理のないようにお過ごしくださいね。
さて、テレビも紙面も桜の開花宣言が相次いで出ていますね。例年より1週間近く早い花の便りに、心躍らせている方も少なくないはず。季節の訪れとともに、いっせいに咲き誇り短期間で潔く散っていくその姿は、日本人の精神性に寄り添い、美しくも儚いその様子は見る側の目と心を奪い強く印象に残ります。
しかし、『桜』の全てがそうではありませんよね?
標準木が『ソメイヨシノ』であることは有名ですが、その『ソメイヨシノ』が全国的に主流となり、広域に分布するに至った経緯などはあまり知られていないはずです。本日3/21付け中日新聞一面見出し『多彩なSakura咲き誇れ』では、日本人に忘れ去られようとしている様々な『桜』を収集し保存しているイギリス人園芸家:コリングウッド・イングラムさんを紹介しています。
日本の桜は江戸時代すでに、二百五十もの栽培品種(人里で栽培され続けたことで野生種とは異なった形質を持った桜に固有名を付けた品種)があったことをご存知ですか?そして、その多彩で豊かな日本の桜が激減した理由が『明治維新』だということ。幕府が倒れ大名がなくなり、大名屋敷が無くなりその日本庭園で大切に育まれ生まれた多くの品種がその姿を消しました。本来日本の桜は、地域性に富み開花時期もバラバラ。育て方も育ち方も色形も様々だったそうです。しかし、『商業主義』の波により管理しやすく華やかな同一固体のソメイヨシノ(ソメイヨシノが自然繁殖ではなくクローンであることは有名)は『観光用』として普及が早く、熱心な愛好家の『希少種を残す』声は、やがてかき消されてしまいました。
とはいえ、ソメイヨシノが悪いわけではないですよね。
時代背景としては、生育が早く同時期に咲く『ソメイヨシノ』が各地に植樹され急速に広まったのは、焦土と化した戦後日本の復興の時。徳川吉宗の『隅田川の桜』と同じく、不安に渦巻く時代に人々の足が踏みしめ固めて土地を作り、同時に心の癒しの為にもソメイヨシノは確かに活躍したといえます。
いまでも、『山桜』『大山桜』『八重桜』『エドヒガン』『紅枝垂』『八重枝垂桜』『河津桜』『寒桜』『御衣黄(ぎょいこう)』この辺りは割に見られる種類かもしれませんね。個人的には『糸括』『花染衣』『普賢象』を見たことがあると思います。たぶんどれも京都だと思うのですが。※花図鑑参照しつつ・・・。
そうそう、ソメイヨシノの前に枝垂れ桜が咲き始めています。ソメイヨシノが終わっても八重桜はその後です。楽しめますね!
会社の窓からは、桜と合う雪柳が満開になっている様子が見られます。コブシや木蓮も満開で花の季節到来です。今年は急に暖かくなって、花たちの咲く順番がどうなるかわかりませんが、桜だけでなくこれからあちこち見て回り忙しくなるほど天候に恵まれたらいいですね。
桜の下で楽しく飲んだり食べたり、宴会するのもまた平和ならではでしょうが、せっかくなのでちゃんと頭上の美しさも楽しんでくださいね。